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「偶然の音楽」 [演劇・芸術]

世田谷パブリックシアター

 白井晃演出作品、公演時間は2時間15分ほど。

 2005年初演作品の再演。主役の仲村トオルは変わらず、相棒役は小栗旬から田中圭に。原作はポール・オースターの同名小説、翻訳は柴田元幸。

 疎遠だった父が遺した2万ドルを手にしたナッシュ。妻は自らのもとを去り、娘は姉夫妻に預けられた状態で、サーブを購入して放浪の旅に。そして、1年ほど経ち、残額がわずかになった頃合いに町中でポーカーに人生をかける若者ポッツィと出会う。

 A列からE列までを取り払い、前にせり出した奥行きのある舞台で、手前に設けられた階段からも役者陣が現われ、消えていく格好。冒頭、仲村トオルの声が上手く通っていない印象を受けたが、そうではなく、音声効果をかけながら回想シーンを表現していることに気付く。その間も他の出演者が光とともに動き、人それぞれに人生があることを印象づけられる。

 また、ポーカーの駆け引きや自動車での移動シーンでは光や音、もちろん演出などによって、それらが醸し出す速度感や緊迫感も味わえた。なにより、舞台全体が暗転することなく、いつのまにか舞台セットが追加され、消えていくのは素晴らしかった。

 出演者は8人で、登場人物は10名を軽く超えていたものの、それぞれの登場人物が似たりよったりすることなく、役柄が重複した印象を受けることはなかったと思う。特に大盛博史、櫻井章喜の両氏は素敵な衣装があったこともあり見た目の変化も楽しめた。

 そして終盤になって、ナッシュ役を演じた仲村トオルがほぼ全編、舞台から捌けなかったことに気付き、衝撃を受ける。この点をとって考えると、ナッシュとポッツィというより、ナッシュに主点を置いた作品なのかもしれないと観ながらにして、舞台を遡りながら考えさせられる。

 照明は齋藤茂男氏で、直近で観たイデビアン・クルー「排気口」や「混じりあうこと、消えること」も同氏の照明だった。シアタークリエイションの代表を務められているそうで、同サイト(http://www.theatercreation.com/)から公演履歴を見ると2005年の遊園地再生事業団「トーキョー/不在/ハムレット」を皮切りに同氏が携わる舞台に足を運んでいた。キャスト/スタッフ情報は記してこなかったけど、こういう関連性の面を考えると記していくのも良いのかなぁ。

http://setagaya-pt.jp/theater_info/2008/09/post_126.html
http://www.yukikai.co.jp/



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